うまいきしめんはここにある! カラフルな限定きしころが話題も意外にも・・・!? ~チトセ屋
カラフルな夏限定のきしころを毎年開発
きしころPINK、GREEN、BLUE、そして今年の黄…。毎年カラフルな夏限定メニューを売り出している「チトセ屋」。戦隊モノのようなカラーリングはインパクト抜群。メニュー名はもちろん、見た目からも味の想像がまったくつきません。名古屋では「喫茶マウンテン」という珍メニューで名を馳せる名物喫茶がありますが、ここを思い浮かべる人もいるやもしれません(?)。
今年のカラーきしめんはその名も「黄」。見た限りカレー味のようで、口に運ぶとふわっとスパイスの香りが。しかし決して辛くはなく、ちゃんと和のダシが利いていて、優しい後味の和風冷製カレースープとでもいうような味わいです。トッピングはコロッケが真ん中でドン!と存在感を示し、スパイシーなグリルチキンにミニトマト、そしてライム。とりとめのない取り合わせのように見えて、スパイスの包容力もあって食べると不思議と違和感はありません。きしめんはかなり幅広。もちもちでいて噛み応えもしっかり感じられます。

きしころ黄1200円は今年の夏限定メニュー
「ターメリックなど何種類ものスパイスにニンニク、ナッツを使っています」と店主の櫻井隆弘さん。「毎年、色をまず決めて、どうすれば色とおいしさが両立するか試行錯誤しながらつくっています」
櫻井さんは3代目として18歳で店に入りながら、他ジャンルの飲食店にも師事をして料理人としての引き出しを広げたそう。毎年ユニークなカラーきしめんを開発しているのもそんな下地があってのことなのです。

最も衝撃的だった2023年のPINK。現在は販売なし

2024年のGREEN。現在は販売なし

2025年のBLUE。現在は販売なし
きしめんが幅広になった意外な理由とは?
幅広麺は近年の流行りに乗ったものではなく、なんと20年以上も前からのものなのだとか。「父の代から幅広かったんです。昔は周りに町工場がたくさんあって、幅が広いと咀嚼が多くなって満腹感が得られるので、お客さんに合わせてこうなったんです。30代後半で自分がメインで打つようになって、もっとべろんべろんにしようと思って今の幅になりました」
麺の幅が広いと切る回数は少なくなりますが、だからといって作業が楽になるわけではないといいます。「ハマ(生地を玉状に丸めたもの)のサイズは同じなので、伸ばし方が一定でないと決まった本数を取れないんです。製麺機を使えないので手で切るしかありませんしね」

3代目の櫻井隆弘さん。1967年生まれで職人歴は40年以上
麺の印象がガラリと変わる温かいきしめん
この幅広きしめん、冷たいころだとすべすべした舌ざわりとキュッとしまったコシが魅力ですが、温かいかけだとまったく違った食感を楽しめます。温かい分、麺がつゆをよく吸って膨らみ、幅も厚みもより増してもっちり感がアップ。濃いめのつゆと麺との一体感も増すため、溜まり醤油の濃厚なうま味をいっそう感じられるのです。

温かいきしめんだと麺のもちもち感がグッとアップする。700円
カラーきしめんは老舗寿司屋のカリフォルニアロール?
ピンクや青、黄のカラフルなきしめん。邪道か正統かと問われればもちろん邪道なのでしょう。老舗の寿司屋が突然、カリフォルニアロールを始めちゃった、みたいな・・・。新規の店や大手チェーンがやったら炎上もやむなし、かもしれません。しかし、店主の櫻井さんは「きしころスタンプラリーはお祭りだから」と泰然。かつて“絶滅危惧種”とまでささやかれたきしめんの復権を目指して始まったイベントを盛り上げるために、あえてネタになる創作メニューを毎年開発しているのです。ネットでPINKきしころなどを見つけたマスコミから「撮影用につくって」との依頼がしばしばあるそうですが、スタンプラリー期間以外は一切応じず、過去作の復刻もしないといいます。そこは老舗、単なる店の話題づくりではなく、組合主催のイベントの注目度を高めるため、と一本筋が通っているのです。
一方で、大胆な創作きしめんが、きしめんの可能性を広げていることも事実。「チトセ屋」が古くから取り組み、今になって俄然注目が高まっている幅広きしめんも、かつては邪道と見られる向きがありましたが、近年は名古屋市内の多くの店で幅広化が進んでいます。それを思うと、ひょっとすると10年後にはいろんな店が色とりどりのきしめんを・・・? いや、それはちょっと想像したくありませんね(笑)。

戦前に名古屋の中心部・栄地区、現在の三越近くで創業。戦災で焼け出されて転々とした後、1948年頃に現在の場所に店舗を構えた。写真は昭和40年代頃と思われる「チトセ屋」。カラーきしめんは老舗の夏限定メニューだからこそ価値がある(?)
そんなわけで、カラーきしめんは7~8月の「きしころスタンプラリー」期間中のみ、しかもその年限りの限定メニューなので夏の間に是非! もちろん幅広きしめんは通年の定番メニューなので、こちらは冷たいころと温かいかけ、どちらも是非お試しを。どんな味わいのつゆでも合うきしめんのふところの深さ、つゆの温度によってガラリと変化するきしめんの奥の深さを体感してみてください!

こぢんまりとした昔ながらの麺類食堂
■ チトセ屋
・昭和初期創業
・名古屋市東区泉2-7-17
・℡052・931・4774
・11:00~13:45L.O、17:00~19:45L.O(土は11:00~13:45L.O)
・日曜・祝日休
・地下鉄高岳駅より徒歩6分
・駐車場 4台
・24席
・きしめん 700円 具は油揚げ、小松菜、花かつお
・きしめん 幅2・6cm・厚さ3mm
・小麦粉/金トビ志賀・こまどり
・ダシ/ムロアジ、宗田ガツオ
・つゆ/たまり醤油・ヤマヤ醤油店、白醤油・ヤマヤ醤油店
・ころきしめん700円、ざるきしめん1000円
・その他のメニュー
志の田800円、おかめ950円、カレー880円(うどん、きしめんともに価格同じ)、中華蕎麦850円、味噌煮込みうどん950円、志の田丼800円、カツ丼1100円
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