うまいきしめんはここにある!~老舗お土産ブランドの直営店「きしめんよしだエスカ店」
名古屋名物への期待にたがわぬ正統派のおいしさ
口あたりはするりと滑らかで、薄いのにもちもちしてコシがあり、小麦の風味が広がる。「きしめんよしだエスカ店」はお土産用乾麺の老舗、吉田麺業の直営店。“きしめん=名古屋名物”のイメージを広めてきた立役者だけあって、麺の食感や味わいは、多くの人が思い浮かべ期待するきしめんそのものというべき正統派です。

大きな海老天がどどん!と載った天ぷらきしめん1270円
独自の機械で手打ち同様の製麺を実現
店はエスカ地下街開通の1971(昭和46)年にオープン。「名古屋駅に出店すれば、きしめんのおいしさを全国の人に伝えられ、さらには業界全体のレベルアップにもつながると考えたのです」と吉田麺業4代目の吉田孝則さん。同社は1890(明治23)年、農閑期の副業として製麺をスタート。当初は生麺をつくっていましたが、より多くの人に食べてもらえるようにと乾麺製造に切り替えました。戦災で工場が全焼し、戦後は仮設小屋から再出発。工場内の機械は大半がここにしかないオリジナルで、熟成、延ばし、乾燥と個々の工程にもじっくりと時間をかけて、手作業と変わらない麺づくりを行っています。

麺はすべて名古屋市内にある工場でつくられる。どの工程も十分に時間をかけて丁寧に進められる
高度成長期以降、主に贈答用の市場で名古屋名物・きしめんを代表する存在となり、その一方で昭和40年代からは飲食店の運営にも乗り出します。ショッピングモールでの出店に続いて出したのがエスカ店でした。
「愛知県産のきぬあかりなど何種類もの小麦粉を使い、麺の種類や季節によって配合を変えています。店舗で調理する生麺は、乾麺とは若干配合を変え、乾麺より長く一昼夜熟成させ、朝に切り出したものを店舗に運んで調理しています」とは店長の吉田泰成さん。

「“おいしかった!”と声をかけてくれるお客さんも少なくありません」と店長の吉田泰成さん
ダシも自家製で、店舗で使う分は朝にダシを引いたばかりの新鮮なものを使用しているそう。麺もダシも、製法は個人店の職人仕事とほぼ同様なのです。
きしめんに特化した専門店らしいメニュー構成
メニューはきしめんのバリエーションが中心の専門店にふさわしいラインナップ。スタンダードなかけきしめんから伝統的なおかめやあんかけ、ちょっと珍しいみそきし、冷たいえびおろしやちらしなど、目移りするにぎやかさです。

近年はあまり見かけなくなったおかめ。しいたけ、小松菜、かまぼこ、わかめの他、厚焼き玉子が載っているのが珍しい。白つゆでさっぱりと食べられる。1130円

カラフルで具だくさんのごま酢きしめん。冷たい麺のコシも楽しみのひとつ。1230円

こちらも珍しいきしめんの味噌煮込み=鍋みそ1420円。太い麺のみそ煮込みもある
正統派のおいしさに、観光客が多いエスカの中でもくり返し通う地元の常連が少なくないというのにも納得。さらに食べた人がかなりの高確率で店頭のお土産品を購入する、というのにもまた納得です。

店頭にはお土産用の乾麺も豊富に揃う。幅広きしめんもある
■ きしめん よしだエスカ店
・名古屋市中村区椿町6-9エスカ地下街
・1971年開店
・052・452・2875
・11:00~15:00、17:00~20:30(土・日曜21:00まで、閉店30分前L.O.)
・定休日/1月1日およびエスカ休業日
・JR名古屋駅よりすぐ
・駐車場 なし
・49席
・きしめん 900円
・きしめん 幅/7mm・厚さ2mm
・きしめんの具/ほうれん草、油揚げ、ネギ、花かつお
・小麦粉/きぬあかりなど
・ダシ/ムロアジ他、数種類をブレンド
・醤油/非公表
・その他メニュー/ざるきしめん900円、五目きしめん1050円、天ぷらきしめん1270円、あんかけきしめん1120円、えびおろしきしめん1500円、カレーきしめん1180円、みそきし1130円、みそ煮込み1420円など
※写真撮影/すべて筆者
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